父親は私が10歳の頃に、突然愛人と蒸発したが、その父親の死亡通知を受け、身内だけの葬儀をひっそりと行った後、遺族代表で遺品整理を行うことになった。愛人とは、蒸発後、数年で別れており、私達の所に戻ることなく父親は今まで一人で生活していたとのことだった。
生活ぶりはいたって地味であり、仕事も真面目にコツコツこなしていて、父親が住んでいた1Kの古びたアパートは10歳の頃の記憶にあったような、几帳面な父親らしくきれいに整理整頓されていた。
父親のした事は決して許せないが、遺品整理の中で、私が子供の頃に書いた父親の絵が大切に保管されていたのを見て、少し胸が熱くなった。遺品整理は、業者と共に行ったがあっという間に完了した。